センパイは、背を向け歩いて行く。 ドキドキが止まらない……。 "「あげる」"って、この指輪のこと!? やっぱり…… やっぱり、あの時の人だったんだ……。 「ヒサー!」 ビクン! 後ろから大きな声をかけられ、一瞬体が跳ね上がった。 「なんで生徒会長と話してるのよー! 知り合いなのー!?」 ぐぐっと私に顔を近づける。 「あ……ううん、ぜんぜん……」 中学からの友達……まさか、見られてたなんて……。