ともかく、なんでもいいから、この状況をなんとかしたくなった省吾は早口に言う。
「わかりました。
とりあえず、社長には黙っておきますから。
早く自分でなんとかしてくださいよ」
とわざと突き放すように茅野に言って、その手を外させる。
このまま握られていると、うっかり、いろんな女の子たちを誘うの、もうやめますから、結婚してください、とか言いそうになる。
特に色気があるようなタイプでもないのに、何故だろうな。
恐ろしい人だ、と思っていた。
「ありがとう、奈良坂さん」
と感謝に手を合わせてくる茅野とは目を合わせないようにして、穂積に頭を下げ、省吾はそそくさとその場を立ち去った。
「わかりました。
とりあえず、社長には黙っておきますから。
早く自分でなんとかしてくださいよ」
とわざと突き放すように茅野に言って、その手を外させる。
このまま握られていると、うっかり、いろんな女の子たちを誘うの、もうやめますから、結婚してください、とか言いそうになる。
特に色気があるようなタイプでもないのに、何故だろうな。
恐ろしい人だ、と思っていた。
「ありがとう、奈良坂さん」
と感謝に手を合わせてくる茅野とは目を合わせないようにして、穂積に頭を下げ、省吾はそそくさとその場を立ち去った。



