店員が、
「どうされましたか?」
と慌ててやってくる。
そりゃそうだ。
いい大人が二人、子供が隠れるように、膝を抱えて、向き合っているのだから。
「す、すみません。
スプーン落としちゃって」
と言い訳すると、
「すぐに代わりをお持ちします」
と言われる。
奇行に走る客を不気味に思っていたらしい店員は、ちゃんとした理由を聞いて、ほっとしたように行ってしまった。
やれやれ、と席に着き直したとき、あれ? と思った。
間抜けなことに、ペンを飛ばしたらしい奈良坂省吾が、それを追って、振り向いたのだ。
転がるペンを追おうとして、視線を下げた彼と目が合う。
えっ? という顔をした省吾に向かい、茅野はボディランゲージで訴えた。
『なにも言わないで。
秀行さんを、先にやってください』
ええっ? という形に口を開けた省吾に、早く、と指を振って指示をする。
ええーっ? という口許をしたまま、省吾は、秀行が振り返らないよう、前に回ってなにか言ったようだった。
しばらくして、店内にやってきた。
「どうされましたか?」
と慌ててやってくる。
そりゃそうだ。
いい大人が二人、子供が隠れるように、膝を抱えて、向き合っているのだから。
「す、すみません。
スプーン落としちゃって」
と言い訳すると、
「すぐに代わりをお持ちします」
と言われる。
奇行に走る客を不気味に思っていたらしい店員は、ちゃんとした理由を聞いて、ほっとしたように行ってしまった。
やれやれ、と席に着き直したとき、あれ? と思った。
間抜けなことに、ペンを飛ばしたらしい奈良坂省吾が、それを追って、振り向いたのだ。
転がるペンを追おうとして、視線を下げた彼と目が合う。
えっ? という顔をした省吾に向かい、茅野はボディランゲージで訴えた。
『なにも言わないで。
秀行さんを、先にやってください』
ええっ? という形に口を開けた省吾に、早く、と指を振って指示をする。
ええーっ? という口許をしたまま、省吾は、秀行が振り返らないよう、前に回ってなにか言ったようだった。
しばらくして、店内にやってきた。



