今まで走ってきたせいで、自分の心臓の音が翔くんにも聞こえてしまうんじゃないかと心配になる。



苦しいほどに抱きしめられる。



「日和……いや、ひよちゃんって呼んだ方がいいかな?」



楽しそうな笑い声が聞こえる。



「ごめんね……忘れてて」



「ううん。こうやって思い出してくれて嬉しいよ」



「うん……」



「俺、この前拒絶された時、本当に俺の探している日和じゃないんじゃないかって不安になったんだ」



「うん」




「でも、すぐにそんな不安は消えた。俺は、昔の日和もそうだけど、目の前にいる日和のことも改めてすきになったんだって気付いたんだ」




「うん……うん……」