は?


「……ん?」



横で見ていた亜美も不思議そうな顔をしている。


「日和、知り合いだったの?」


そう言われてもう一回走ってくる男の子をまじまじと見るけど、やっぱり思い出せない。



「ううん。知らない人だと思う。同じ名前の人がここにいるのかな?」



「そうだね〜」



また歩き出す、けど。


「日和!」


それはさっきまで見ていた男の子によって阻まれた。



目の前でニコニコとしながら言っている男の子。



「久しぶり!日和!」



その男の子は私の手をとってぶんぶんと振った。


久しぶり??


焦げ茶の髪、健康的に焼けた肌はスポーツをしているのかと考えさせられる。


私の名前をニコニコと呼ぶその顔はあどけなさが残りつつもかっこいい、と言われる部類なんだろう。



間近で見てもやっぱり知り合いにこんな人はいない。