薄暗くて昼よりも気温の下がった道をあてもなく走る。 大賀翔吾。 近所に住んでいるガキだった。 会う度会う度「好き!」と言ってくる困ったやつ。 昔の私はそう思っていた。 私は翔くん、大賀くんはひよちゃんと呼びあっていた。 私が中学生になった頃、大賀くんは真新しい制服を着た私に真っ赤な顔で言ったのだ。