帰り道。 亜美と別れたところで後から走ってくる音がした。 「日和!」 その声が振り返らなくても大賀くんだとわかる。 「追いかけてきたの?」 「部活が早く終わったからな」 「そっか」 その大賀くんの声が笑顔が私に向けられたものじゃないとわかっていても、拒絶できない。 本物の日和が現れなければ、大賀くんは私だけを見てくれる。