「私は、私は日和じゃないの」



「日和は日和だよ」



「いつだって付きまとわれるのは迷惑なの」



声の震えがばれないように声を出す。



「もう、顔を見せないで」



私はまた足を踏み出した。




大賀くんはもう着いてこない。




「日和、好きだよ」





後からそんな声が聞こえる。



振り返る事は出来なかった。



眼から涙が零れていたから。