「結局なんにもわからなかったね」 大賀くんの出ていった方角を見て亜美が呟いた。 「この学年ってことだよね……」 亜美のつぶやきにそう返すと、ん?と亜美は私の方を見た。 「この学年に日和って他にいる?」 うーん、と他のクラスを思い出す。 ここの学校はクラス数も少ないし、ほとんどの人を知っている。 亜美も考える。 私と亜美が口を開いたのはほぼ同時だった。 「いない……」