「_咲良ー!買ってきたよ!」




「おー。ちょっとそこ座ってて。すぐ戻る」




咲良は私を近くのベンチに誘導するとどこかへ行ってしまった。




「え!?咲良!?」




待ってろってこと?てかどこ行くの?




「あ、みなみ」




私は某トークアプリのみなみとの個人チャットを開いた




『ひらりー!』

『あたしとナオ』

『二人で行動するから』

『咲良とデートして距離縮めちゃえ!!』




何言ってんのかみなみは……



私が数年いない間に咲良との距離は開いてしまったから。




『咲良いなくなったんだけど?』

『みなみたち見なかった?』



「はぁ……」




みなみが私の秘密を今でも覚えててくれるのはうれしいけど……このトーク咲良に見られたら……

ばれちゃうじゃん

_私が小さいころから、咲良のことを‟好き”ってこと。




「ひらり」




「あ、咲良!?どこ行ってたの!?」




「誰かさんのために優しい俺が買ってきてやったんだよ」



そう言って咲良は……私にチョコのクレープを渡してくれた。




「これ……「金は二倍で返してもらう」


「へ!?か、返します」



「嘘に決まってんだろ?おごり」




ドキ……




「い、いただきます」


「はい、どーぞ」




咲良が……中学生時代より優しい……




「おいし!!」



そんなことを考えながらクレープに口をつけると衝撃のおいしさに思わず叫んでしまった。




「ブハッ…おおげさ!」



「だっておいひいんらもん!!」



「味見」



咲良が私が口を付けたところをガブッと食べた。


「あっま」



そりゃ甘いの苦手な咲良には甘いでしょ……って!?


こ、こここれって……



「まーた、間接キスとか意識しちゃってんの?」




図星すぎて顔が真っ赤っか。


「ブッ、トマトみてぇ」



「ば、ば、バカ!!」



「俺様にバカだと?ひらりのくせに生意気だな」



何その言い方!!ジャイ〇ンかよ!!




「つ、次行くよ!!」




私は立ち上がって歩き出した。




「ふっ、バーカ」



そう言って髪の毛をくしゃっとされた。




「うっさい!!」