それでも、君が好きだから。

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「みなみー!!ナオー!!」



俺は結局ひらりを後ろに乗せて駅まで行った。



「ひらりまだ自転車こげないの!」




「もう諦めたー!」




ダメだこいつ。




中学生の時もそう。一緒に出掛けるときは必ず二人乗りで行った。





「咲良おつー!」




みなみが笑いながら俺の肩をバシバシ叩いた。




「うざ」




「そんなこと言う人は連れていきませんけど?」




ひらりがナオと話しているのを確認してみなみはボソッとそうつぶやいた。




「……」




こいつには、‟俺がひらりのことを好き”という弱みを握られている。