私は桜井静(さくらい しずか)17歳 高校2年生。


家は母子家庭。


私は父親の顔も知らない。(別に知りたいとは思わないからいいけど・・)


今夜は”あの人”が来る日。


私は親友の美香をカラオケに誘った。


「そっか、今日来る日なんだ」


と美香はOKしてくれた。


私は親友の美香には何でも話している。


美香は偏見で私を見ないし、口も堅い。


私にとって大切な親友だった。



5時から8時までのフリータイム。


私と美香はガンガン歌った。


あっという間に時間10分前のコールが鳴った。


「あはは。最高だったね」


「うん、メッチャ発散出来た」


と私達は興奮気味にカラオケボックスを出た。



「静、ファミレス寄ってく?」


「ううん、もう帰ってると思うから大丈夫」


と私は答えた。


美香は少し神妙な顔をして


「何かあったらすぐうちに来なよ」


と言った。


私はその言葉に嬉しくなり美香のうちに行きたいと思った。


でも、ダメだ。(甘えすぎちゃダメ)と自分を戒める。


「マジでありがとう。明日ね」


と私は手を振った。


美香も笑顔で手を振った。




これが最後の別れになるなんてその時の私は夢にも思わなかった。