神様は意地悪だ。

 初めて本気で好きになった人は学校の先生で。

 それも、他のクラスの先生で。
 
 「好き」の気持ちが最高潮に達したとき、学年が変わって。

 先生が私のクラスに来ることはなくなって。

 隣のクラスから聞こえてくる先生の声に、耳を傾けた。

 でも、だんだんむなしくなって。

 ・・・諦められそうだった。

 でも、あとちょっとのところで、先生が声をかけてきた。

 いや、正確には、ちょっかいをかけてきた。

 ただそれだけの事で、単純な私は先生を諦めることができなくなった。

 でも、それでも、、。

 限界だった。

 これ以上先生を思っていると、私自身が壊れてしまうと悟った。

 夏休みを機に、諦めることにした。

 ずっと欲しかった先生の写真が、終業式の翌日に届いた。

 いくら見ても、ドキッともしなかった。

 心が、まったく揺れ動かなかった。

 先生への思いは、もう燃え尽きていた。

 これでもう安心だと思った。

 でも、まだ好きでいたかった。

 先生が好きだったときは、毎日、本当に幸せだったから。

 どんなにつらい時だって、先生を思っていると幸せになれたから。

 先生の写真を見ながら、失恋ソングを聞いたりしてみた。

 あんなに諦めようとしてたのに。

 せっかく諦められたと思ってたら、諦めたくないと思った。

 でも、どんなに先生を思っても、一度燃え尽きた先生への思いは、、。

 灰となり、消えていった。

 ・・・大好きだった。

 たぶん、先生以上の恋には、もう出会わない気がする。

 どんなにいい人が現れたとしても。

 2年間の片思い。

 1年の夏から始まった、禁断の恋。

 あんなに大好きだったのに。

 過去形になっちゃうだなんて。