実らない果実



『座れて良かったですね』


1番後ろの席に座り、ほっと息を吐く


「そうね、余り混んでなくてよかった」



ふふっと笑って窓に目をやり、外を見ている先輩


ガラス越しに目が会い、思わずドキッとしてしまった



不意打ちとか反則っ////




思いっきりそらしてしまった




絶対顔赤いよな~



チラッと先輩を見ると、外の景色をじっと見ていた



しかし、耳は真っ赤で先輩も照れていることが伺えた



そのことに嬉しく感じた


『先輩、可愛い』



耳元でそっと、声を掛ける




ビクッと肩を揺らしこちらを睨んできた



「み、耳は駄目!////」