ーー翌日。
チェックアウトを済ませて旅館を出ると、旅館の前でスタッフの人に四人一緒の写真を撮ってもらった。
幸い朝になると雪はやんでいて、気持ちのいい晴れ空が広がっている。
今日はこれから観光地をいくつかまわって、それから帰る予定だ。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。
ナツくんがまたスマホでバスの時間を調べ始めて、するとそれを見た花鈴が声をかけた。
「あれ~?夏希、その鈴どうしたの?そんなのつけてたっけ?」
ナツくんのスマホケースからぶら下がる、青いひもに繋がれた小さな鈴。
意外にも目ざとい花鈴は、それにすぐ気が付いたみたいで。
「あぁ、これ?昨日買った」
「へぇー、夏希でもこういうのつけるんだ」
ナツくんらしくないと思ったのか、不思議そうな顔をしてた。



