お前しか見えてないから。*特別番外編*


えぇっ…、ちょっと待って。


今、何が起こったの……?


なんか、いつものナツくんじゃないみたい…。



急に不安な気持ちが押し寄せて、緊張して体がこわばってくる。



ど、どうしよう……。


これ以上は私、ドキドキしすぎて身がもたないよ…。



「な、ナツくん…っ!!」



だから、もう一度ナツくんの顔が近づいてきた瞬間、思わず彼の胸をグッと押し返してしまった。



「ま、待って…っ、私……」



ナツくんはハッとした顔で動きを止める。


そして次の瞬間、私を見つめながら少し苦しげな表情でつぶやいた。



「……ごめん」



それを見て私もハッとする。



あ、どうしよう。私……



「ううん…。えっと、あの……っ」



でもたぶん、今のは思いきり拒否したように思われてしまったと思う。


ていうか、絶対思われたよね。