お前しか見えてないから。*特別番外編*


「……すず、」



ナツくんが、私の名前を呼ぶ。



「好きだよ…」



甘い声で囁かれて、心臓がまたドクンドクンと音を立てる。



いつだってまっすぐに気持ちを伝えてくれる彼が、心の底から愛しくて、私も思わず口からこぼれた。



「私も…大好き……」



好きって気持ちがあふれ出してくる。



いまだに好きなんて言うのは恥ずかしくてたまらないけれど。



ナツくんは照れながら口にした私にまた甘いキスを落とす。



そのままゆっくりと何度も唇を重ねてくる彼に、ドキドキしすぎてどうにかなってしまうんじゃないかって思った。



キスなんてやっぱり、何回しても慣れない。



唇から伝わる熱で、心まで全部溶かされてしまいそう。



他に何も考えられないほどに、頭の中がナツくんでいっぱいになる。