拓磨 side

はあ〜。何だかんだ遅刻せずには済んだ
ブス華奈のせいで遅刻しそうだったわ
あ。華奈とは俺の幼馴染み。
小柄で天然で世間から見れば美人らしい
148cmしかないチビだけどモテる。
本人は勿論。そんな事知るよちもない。
俺から見ればブスなんだけどなあ…。
嘘。普通なんだと思う。でも俺は…
中学3年になった頃から華奈が気になる
でも幼馴染みだから気にする事もない
きっと幼馴染みだから気になるだけだろう
危なっかしいから俺が見てないといけない
そう思っているだけに違いないんだよな。
そんな事考えていたら華奈が現れた。

「…あのっ…聞こえる訳…ないか…。」

こいつこんな人混みの中何してんだろ?
キョロキョロしてるし…人探しか?

「おい。」

俺が声かけるとビクッとしこっちを見た

「なーんだ、拓磨か。」
「何安心してんだよブス」
「ブスッて何よ!平均ですー!」
「お前が平均だと世の女は皆美人だな。」
「もう!拓磨のばか!知らない。」

俺が馬鹿にすると赤く染まった頬を膨らまし
背が低い為上目遣いの状態で睨んでくる。
こんな状態で睨まれても怖くない。

「で、何してんの?ここで」
「…あ!クラス表見に来たの!」
「クラス表?…仕方ねえ見てやるよ」
「何よその上から目線は。」
「別に見てやらなくてもいいけど」
「わかった!ごめんなさい!!」
「最初からそーいえ。」
「ふんっ」

何かこういう時よく思うんだよな。
他の女だと面倒くさいし見る気さえも
おきないのに華奈に頼まれると昔から
見てやろうと思うから不思議だよなって
華奈の泣いてる顔見ると胸の奥が痛むし
他の奴が泣かせるとむかつくし何だろな
やっぱり幼馴染みだからだろーな。

「ねえーまだ!?」
「うっせーな。えーと…あ。1組だ。」
「1組?知ってる人いるかなー。」
「あ。俺もだ。最悪だまじで。」
「え!拓磨も!?やだー。」
「俺の方が嫌に決まってんだろが!」

何となく華奈の嫌がってる姿がムカついて
デコピン1発してやった。

「いで!何するのよ!女の子に向かって!」
「うるせーよ。お前が悪い。」
「ふんだ!」

華奈がハブてていると悪魔の気配を感じた。

「誰が女の子を泣かせているのかなー?」
「…うわ。お前何でいんだよ。」
「いちゃ悪いのかしら?ん?」
「…俺の高校ライフを返せよ!!!」
「何を言ってんだか。始まってもないわよ」
「菜穂ちゃん!おはよ!」
「おはよー。」

井上菜穂。華奈の親友であり俺の悪魔。