「華どうしたんだ。さっきから何も言わないで、田村の彼女が女優の水嶋カオリで驚いたんだろ。」



違うよ。かず君。



田村医師が鼻の下を長くして嬉しそうに、写真を見ていた。



「あのね、私は水嶋カオリの娘で、水嶋カオリが私のママだったの!」



思わず叫んでいた。



今度はかず君と田村医師が固まっていた。



「だから驚いちゃって、私もついこないだ知って、本当なのかも分からなくて、でも父さんは嘘つたりしない人だから。」



もう何を言いたいのか自分でも分からない。



「なるほど、華ちゃん見た時ときめいたのは親子だったからか。俺は親友の彼女に惚れてしまったのかって、自分が抑えられなくてさ。うん、そうだったんだ。」



「おまえなぁ、何一人で納得してる訳。華にときめいたなんて聞いてないぞ。おまえが水嶋カオリと結婚したら、俺たち親子になるのか」



かず君今その話しはいいでしょう。




何だか、少し可笑しな気分。




女優の水嶋カオリが母親で、もしかしたら田村医師が父親になるだなんて、あり得ない。