病院へは彩夏もついていってくれる事になった。



彩夏が沢田と二人だと又何言われるか、わからないからと心配してくれたのだ。



かず君は彩夏には頭が上がらないと愚痴をこぼすので、何だか可笑しくて笑ってしまった。


彩夏は本当にしっかりしていて、ドジな私とは大違いだ。



病院で検査したが骨に以上はなかった。



打撲が酷いのと、背中に深い傷がありそれを縫った。


痛み止めの点滴をしてもらい、3日間入院すれば痛みも楽になると言われた。



「病院ならおまえら会いやすいだろ。」



指を立て田村医師がかず君に言った。


「沢田を見てたら分かるよ。彼女を見る目が生徒見る目じゃないし、愛しい人を見る目だからさ。俺からの細やかなプレゼントだ。」




かず君の同級生の田村医師は見た目もいいが、中身も良い男だった。




かず君には劣るけどなんて、口には出せないけど。