ハッピーエンドなんていらない




窓際に何冊も並んだ本を眺める。

さきほど読んだ本が結構量が少なかった、もうすでに読み終わってしまったのだ。


次は何を読もうか。


そんなことを考えながらふと外を見た。

そろそろ夕暮れ時といったところだろうか。

傾きかけた日が、真下にいる誰かを照らす。

いろんな意味でも眩しくて、キラキラとしている。

繋がれた手は指を絡め合い、当の本人たちは幸せそうに微笑んでいる。

そうして、しばらく笑い合ったあと、彼氏の方が彼女の頬にキスを落とした。



…湊と、紫苑だった。


だからだろう。目が離せなかったのは。

可愛らしく恥ずかしそうに照れる紫苑。

見入ったまま、目が離せない。

見たくないはずなのに、目が離せないんだ。

胸が痛い。息が苦しい。

目をそらそうとすると、ほとんど音も立てずに扉が開いた。