ハッピーエンドなんていらない





「それじゃあ、部活行ってくるね。

何かあったら呼んでね」

放課後、手を振って教室を出て行く紫苑と、その他2人に手を振り返す。

毎日毎日、紫苑は同じ言葉を繰り返す。

何かあったら呼んでねなんて、優しい言葉が息を苦しくさせる。


呼ぶことなんて、ないよきっと。

呼ぶくらいなら飛び降りちゃいたいくらいだ。

2階の、図書室の窓から飛び降りた方がほら、心はきっと痛くない。

紫苑を呼んで、その紫苑が湊を呼べば、湊が守るのは紫苑の方だ。

わたしなんてきっと、ついでにすぎなくなる。

そんなの、悲しすぎるでしょう。


図書室は本当に静かだった。

たまにこうして人が一切いないことがあり、こういうときは寝てしまったりもする。

けれど、つい最近新しい本が入ったばかりだし、今日は本を読み漁ることにしよう。

量の少ない本を手に取り読み始める。

熱中すれば時間なんて忘れてしまえるから、本を読むのは好き。


けれど。