私はさっきの美香ちゃんの話について考えていた。
(どーしたら上手く協力できるかな…)
黒い紙。
あれがあれば何とかなるかも………。
私は学校にこっそり持ってきていた黒い紙を取り出す。
授業中だけど、一番後ろの席だから大丈夫。
私は黒い紙に書く。
〈create〉芹沢海斗くんの中の好意
これで良いかな…
complete
これで、どーなるんだろう。
あ、もしかして美香ちゃんに対して、って入れた方が良かったかな。
私はもう一度、
〈create〉芹沢海斗くんの中の、楠木美香ちゃんへの好意
と、書いた。
すると今回は
error
と、出てきた。
いつもと違う。何で⁇
すると、そこから
白い文字が浮かんできた。
『授業中のようなのでここで失礼。』
出た。きっと最初に説明を受けたあいつだ。あいつは白い文字で説明を始める。
『作りたいもの、と言っても難しい場合があります。それは感情や記憶などといった概念的なものについてです。』
(え…まって…感情はわかるけど記憶まで変えられるの⁉︎)
『ある程度の感情や記憶なら問題ないのですが、詳細まで作るのは難しいのです。こちらも人の心への干渉は大変なのですよ。』
(コマンドはこいつの干渉によって、叶えられてるってこと…?)
『今あなたが心の中で考えてる通り、私が干渉して叶っていることなのです。ですから、芹沢海斗さんの場合も誰かしらに対する好意は生まれたでしょうが、それが楠木美香さんに対してかは、わかりませんねぇ。』
(……………)
『ではこの辺でぇ〜〜』
それから白い文字は更新されなくなった。帰ったのかな。どこにかは知らないけど。
その頃。
芹沢海斗はいきなり湧き上がった違和感に戸惑っていた。
(…………………)

