私は今朝起きてからソワソワが止まらない。
なぜなら、昨日のが本当なら今日から友達が出来る‼︎
私は昔から友達がいなかった。
だから、もし友達がいたら…という妄想をたくさんしていた。
(放課後にパフェ食べに行ったり、一緒にカラオケ行ったり…)
今も妄想が止まらない。
でも、今はちゃんと冷静に。
話しかけないと始まんないんだから。
教室で私は昨日最初に挨拶した子を見つけた。
そこの子の名前は楠木 美香(クスノキ ミカ)。
私はすぐに駆け寄り、話しかける。
「楠木さん!おはよう!」
「遊佐さんおはよう!」
「………………」
私は今まで友達がいなかった分、この後どーやって会話を広げればいいかわからない。
「…?えっと、遊佐さんどうしたの⁇」
「えっと、いや、何か少し話したいかもしれないなぁ〜と思いまして……」
緊張でわけのわからない日本語になってしまう。
「やだ、遊佐さん、そんな事ならふつーに言ってくれればいいのに〜!遊佐さん、いつも1人でいるから1人で居るのが好きなのかな〜って思ってたよ。」
「違う!そんな事ない!って、そーじゃなくて…1人で居るのが好きなわけじゃなくて…」
「そーだよね、1人がいいって事はないよね。ごめんね。」
「えっ⁉︎何で楠木さんが謝るの?」
「だって、遊佐さんの印象勝手に決めちゃってたもん。悪い事したな〜って思ったから!」
「えと、第一印象が悪いのは私の責任だし、楠木さんは何も悪くなしい、むしろ私がやばいだけで……」
「ぷっ。」
「えっ⁉︎何か変な事言った⁇」
「ぷぷぷ…。違うの。違くて、遊佐さんって話してみるとめちゃめちゃ、面白いじゃん、って思って。」
「そ、そうかなぁ?ありがとう。」
「んーん。ねぇ、良かったら友達になってよ。私もっと遊佐さんと話したいな!あ、私の事は美香でいいから!」
「あ、ぁ、ありがとう。美香…ちゃん。」
呼び捨てはまだ恥ずかしくて、ちゃん付けになる。
いまの心の中は黒い紙に対する感心ではなく、高1にして初めて友達が出来た喜びの方が大きかった。