翌日、私は学校で不幸体質が消えたのか確かめようと思った。
まずはクラスメイトへの挨拶。
普段なら気付かれずにスルーされるか、「あぁ、おはよ。」程度のものだ。
私は勇気を出して声を出す。
「あの、おはよう!」
そのクラスメイトは私に気付き、
「あ、遊佐さん〜おはよ〜」
いつもより明らかに反応がいい。
他の人にも挨拶をしてみると、皆いつもより明るいトーンで返してくれる。
(本当に消えた…⁇)
その日学校では特に悪い事も起こらず平穏に終わった。
自宅にて。私は次の内容をもう考えていた。
それは、
友達が欲しい。
ただ気になるのは、受けた説明だと抽象的なものについては何も言っていなかった。
友達、という曖昧な表現でいいものなのかわからない。
そもそも、何か好きなものが作れるのかも疑い深い事だ。
私は友達、と書く前に出すのが難しいであろう、高級イタリアンのコース料理、と書いてみる事にした。
〈create〉高級イタリアンのコース料理
しばらくしてから、
complete
と文字が出て消える。
ここまでは昨日と同じ。
さぁ出てくるのか。
すると、黒い紙に
『台所』
と、白い文字が浮かび上がる。
「台所に行けって事⁇」
私はとりあえず台所に向かうと、そこには完璧なコース料理の一式が置いてあった。
「本当に出てきた……‼︎本当にこの紙があれば何でもできる。」
私は迷わず
〈create〉友達
と書いた。
するといつものcompleteの後に、
『今朝挨拶した人に話かけろ』
とだけ示される。
「これで友達が出来たら、この紙本当に凄い‼︎」
私はこの紙に少しづつ魅了されていた。