世界は私の手の中に。





キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン



4時限目が終わるチャイムが鳴る。そしてそれは昼休みの始まりを告げるチャイムでもある。



授業が終わった途端、私はすぐに美香ちゃんの元にかけよる。




「ねぇ、お昼さ、屋上で食べよ?」




「んー、屋上まで行くの面倒くさいし私は教室でいいや。」




「なら私も教室にする。話したい事があるの。」





「なに?」





「今日の事。美香ちゃんの様子がいつもと違うから。」





「別に変わんないよ?話はそれだけ?」





「いや。明らかに私の事避けてるよね?」





「避けてないよ。避けてたら今こうして話してないでしょ?」





「それは最初に私が話しかけたから。私が来てなかったら多分美香ちゃんは私のところに来てない。」





「何でそう言い切れるの?昼休みだし楓のところ行こうとしてたけど。」





「そんな素振りなかった。やっぱここじゃ話しづらいから屋上いこ。」





周りからの視線が、喧嘩してるのか、と気付き始めそうなのを気にして提案した。



美香ちゃんはそれを承諾し、一緒に屋上に向かう。





「あのさ、単刀直入に聞くけど…芹沢くんになんか言われた?」




「芹沢くん?何でこのタイミングで芹沢くんの話になるの?楓は逆に何か聞いたの。」





「美香ちゃんには嘘つきたくないから言うけど、芹沢くんに告白されたの。」





「……………知ってるよ。」






「やっぱり…なんで?誰に聞いたの?」




「…えっと、芹沢くん。芹沢くんから聞いたの。」





「え…と…。それはいつ聞いたの?」





「告白した日だよ。保健室で告白されたんでしょう?私には連絡くれなかったのに、芹沢くんには連絡して、保健室にいる事教えてさ。前に芹沢くんは私の事が好きって言ってたのは嘘なんだよね。」





「違う!嘘じゃない!あれは…」





「いいよ、どうせ私の事が心の中で笑ってたんでしょ?哀れな片思いだって。ごめん。私もう辛いから戻る。しばらく話せないかも。」





「ちょっと待ってよ!美香ちゃん…!」





小走りで逃げるように美香ちゃんは屋上から立ち去った。私はどんな思いで追いかければいいのかわからずそのまま立ち尽くしていた。




(私はどうすればいいんだろう…)