「美香ちゃん、おはよ!」
「あ、楓。熱下がったんだ。」
「うん、お陰様で。ありがとね。」
「そかそか。てか私お礼言われるようなことしてないよ?あ、そろそろホールムール始まるから席戻るね。」
「あ、うん、わかった。」
ホールムールまではまだ少し時間はある。
いつもならまだ話している時間だ。
(どうしたんだろう。もしかして芹沢くんが告白したの聞いたとか…。いや、でももう知ってたらいくら何でも早すぎる…もしかして芹沢くんが言った?としたら口が軽い人なのかな…)
1人の時間で色々と考えてしまう。
次から次へと良くないことが頭をよぎり、ネガティヴになる一方。
とりあえずホールムールが始まり、考えることをやめた。
そのあと、授業の合間の休み時間もなかなか美香ちゃんに話しかける機会がない。
いや、機会がないのではなく避けられてるのだ。
ここまできたら確実に避けられていると思う。
私は昼休み、無理やり美香ちゃんを捕まえて話を聞くことにした。

