世界は私の手の中に。




私は眩しい朝日で目覚める。



熱は…下がっている。



下がっているし、相川くんにも明日は行けるって言った手前、休む訳にはいかない。





私は重い体を無理やり動かし、学校の支度を始めた。





家を出ると夏が近づいてるせいか、少しづつ太陽の眩しさが増している気がする。





駅に着くと、いつも待ち合わせている美香ちゃんがいない。





連絡しようとケータイを見ると、美香ちゃんからメールが来ていることに気づく。




〔今日、朝に用事あるから先に行くね!ごめん!〕




と、来ていたので





〔りょーかい。大丈夫だよ。〕





と返す。





私は久しぶりの1人の登校を懐かしく思いながら学校へ向かう。




学校に着くと、校門のところに芹沢くんがいるのが見える。




私は少し躊躇ったが気付かないふりをして通り過ぎようとした。




すると



「おい、ちょっと話ある。」




と呼び止められ、校舎裏まで呼び出された。







「あのさ…」





何の話だろう。あまり一緒にいるところを見られたくない。





「俺、何があってもお前のこと好きだから。それだけは忘れないで。」






「え…あ、うん…」





私はびっくりして思わず口ごもる。





「付き合えとか言わないから、何かあったらすぐ言って。お願い。」





「え、うん。わかった。」





「絶対だぞ。」





「う、うん。ていうか何で?」





「好きだから。」





「ぇぇと、それもそうかもだけど…てか何で私?他にも可愛い子とかたくさんいるじゃん。」





「可愛い子じゃないと好きになっちゃいけないのか?それにお前も可愛いよ。」





「そーじゃなくて。私はオリエンテーションの時に怒ったし、良い印象無いはずだったから。」





「むしろ怒ってくれたからだよ。俺はいつも外見で近寄ってくる奴ばっかだったからな。お前が初めて正面から物事を言ってくれた。」






「そ、そうだったんだ…」





「だから、一目惚れとかカッコいいからって寄ってくる奴は苦手。俺の内面を知ってからがっかりする奴もいるしな。」





「そっか…」





「うん。お前は始めからそういう目で俺を見てなかったのもある。だからこそ、何かあったらすぐ俺を頼って欲しい。俺のこと好きじゃなくてもいいから。」






「わかった。ありがとう。そろそろ友達も待ってるし先に教室行くね。」





「あぁ、またな。」







そうして私は先に教室に向かった。




私が歩き始めた時、芹沢くん以外の足音が聞こえたきがするが、風が何かかと思い特に気にしなかった。