その頃。楠木美香視点。




楓が朝から具合が悪そうで保健室に行った。





(大丈夫かなぁ…)





教室で他の人と話すこともなく自席でただただ暇を持て余していた私は楓の様子が気になっていた。





でももうすぐホームルームが始まる。




今行くとホームルームに遅れてしまうし、このまま戻ってこなかったら昼休みにでも様子見に行こうと考えていた。






それから1時間目、2時間目…、と終えて昼休み、昼ごはんを食べる前に保健室に向かおうと教室を出る。





すると誰かの話し声が聞こえる。







「え、お前告白したの?」





「声でけえよ!まぁ何ていうか…」






この声の主は芹沢くんと相川くん。



(誰かに告白がどうのって話してるけど…)




「そうかそうか。とうとう海斗も大人になったなぁ〜!!」






「バカにすんなよ!自分だってよくわかんねぇよ!」






「ふぅ〜ん?それで、遊佐さんは何て⁇」






「顔真っ赤にして何も言わなかった。だから俺もそのまま逃げてきた。」






「おいおい、逃げちゃダメだろ〜。付き合おうってちゃんと言ったのか?」





「いってない。好きってことを言っただけだ。」





「でも向こうも顔真っ赤ってことはまんざらでも無いんじゃない⁇」





「んなことわかんねーよ。お前、遊佐に変なこと吹き込むなよ。」





「はいはい、わかってますよー。」









(え、遊佐って楓…?だよね、この学校で他に遊佐って名字聞いたことないし…)






(それにしても今日は朝から保健室にいたはずだけど、とこで話したんだろ…)






私はいきなりの情報に頭がついていかない。





私は保健室に向かう足を止め、教室に戻った。





楓は何も悪いことはしてない。だから私さえ何も知らないふりをしていればいい。




でも何となく楓に会いに行く気分ではなく、そのままお昼ご飯を持って屋上へ向かった。




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