オリエンテーション2日目。



楓は起床してからスマホで時間を確認する。


今は午前6時。


指定の起床時間は7時だから美香ちゃんはまだ寝ている。



1時間早く目覚めてしまった楓はもう一度寝る気にはなれず、少し散歩をする事にした。




「はぁぁー。朝の海岸って気持ちいぃ〜!」




まだ6時ということもあり、人気が全く感じられない浜辺を堪能していた。



すると後ろから足音が近づいて来るのが聞こえる。



ザッザッザッ



私は誰だろうと思い振り返る。



とそこには相川くんが息を切らしてこちらに来ていた。




「ハァハァ…遊佐さん歩くの速いね。」



「ごめん。1人だったからつい。相川くんこそ朝早くどうしたの⁇」



「ほら、昨日のこと連絡くれたじゃん。海斗のこと。なんかごめんな、あいつあーゆーとこデリカシーに欠けてるんだよなぁ。」




「大丈夫だよ。モテるからしょうがないって割り切ったし。」



「そっか。それで海斗の事なんだけど…」



「どうかしたの?」



「実は好きな人が居るみたいなんだ。あ、いや、でもまだ好きかはわからないって…」



「ほんと⁉︎誰々⁉︎」



「………それが、俺にも教えてくれないんだよね。だから遊佐さんあんまり海斗を刺激しないほうが良いかも。」



「相川くんにも言えないのか…」



「うん。だから海斗の方で何か進展あったら教えるし、遊佐さんは楠木さんのことよろしくね!」




「うん、わかった。教えてくれてありがとう。」




「じゃ、そういうことだから。遅くなると海斗に怪しまれるしそろそろ戻るね!」




「うん、じゃあね!」




そして相川くんは小走りで部屋の方へ戻って行った。



それにしても芹沢くんに好きな人が出来たってことはデモルンがcreateしてくれたんだ。




相手はきっと美香ちゃんだろう。


証拠があるわけじゃないけど何となくそんな気がする。


クラスの中でも可愛い部類に位置する美香ちゃんは誰に好かれててもおかしくない。




私は色々考えながらももうすぐ7時になる事に気付き、部屋に戻ることにした。




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