今日からいよいよオリエンテーションだ。
今までと違ってとても楽しみだし、話せるクラスメイトも増えて不安なことは何1つ無い。


楽しみ過ぎて眠れない、という経験は初めてだった。



バスの中は女子ブロックと男子ブロックに分かれているため私たちは芹沢くんと近くなることはなく、特に何も起こらずに目的地に着いた。



「海だぁー‼︎」


バスを降りるやいなや、美香ちゃんが叫ぶ。

他のクラスメイトも歓声をあげている。



「お前ら、海に行っていいのは自由時間だけだぞー」



先生が軽くなだめようとするが、生徒たちは誰1人聞かずにわらわらと館内へと入っていった。






私たちは自分たちの荷物を各自の部屋に置いてから、ホールに集まることになっている。


「楓!荷物置きにいこ。」


部屋は2人で一部屋だ。先生にペアの事前報告をしてから勝手に決められるため周りの部屋がまだ誰かはわからない。



「近くに芹沢くんとかいるといいね。」



私は美香ちゃんにいった。



「うん!もう今日中に仲良くなれたら部屋に招待したいね〜…って別に本気じゃ無いからね⁉︎」



「いや、仲良くなれたのなら呼ぼう!私のことは気にしなくていいから!」



「楓ぇぇー!ありがとう‼︎大好きー!」