返事は今度で…と言って去っていった神崎の背中を見つつ、私は今あったことを考えていた。
溺れていた神崎を助けて。
そしたら好きって言われた。
あれ、ていうか神崎って男だよな。
………………男に告白された。
普通男に告白されて驚くのって男が多いよね?
私……は、女、か…一応。
いや、女だよね。
どれだけ男っぽい容姿をしてようと女子に告白されよーと私は女だった。
むしろ今までが異常だったんだよね。
……………いやぁ。
麻痺してるわ。
「ふぁあ〜。…みーかっ!まだそこにいんの?…………なしたの」
呆然としている私を見ていぶかしげに眉をひそめた真希。
その声に反応するみたいに真希の方を振り向くと。
「あんた……今の顔女子に見せたら泣くよ?」
口元をひくひくとさせた真希は呆れながらも私の近くに来た。
「どしたの?」
「………真希」
真希の眠そうな顔をみていたら少し落ち着いた。
「…神崎に告白された」
「へぇ。」
へぇ。って。
いやいや、反応うす。
「…………って、はああああああああああああ!?」
あ、濃かった。
「え、ちょ、まっ……神崎…く…はぁ!?」
うん、そうなるよね。
気持ちわかるわぁ。
「………びー」
「真希?」
その続きを言ったら終わりだよ真希。
ローマ字の二文字を言った瞬間終わりだ。
「………だって美花……神崎より身長普通に高いし」
「うん」
「かっこいいし」
「ありがとう」
「……神崎は美花より可愛いし」
「うわー。わかってるけど傷つくー」
っていうか。
「ってか美花アンタなんでそんな落ち着いてんのよ!?」
あ、真希も思ったんだ。
うん。
「いやなんか…あまりのことに驚き過ぎて逆に落ち着いてる」
人間本気で驚いたらこんなもんだ。