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北澤さんたちがクラスに戻ってから程なくして、ホームルームが始まった。
講習の説明をしている担任教師の声を聞きつつ、僕の意識はさっきのことに向いていた。
「…………ふふ」
北澤さんと、恋人。
フリでもいい、嘘でもいい。
それでも、彼女に近づけたのが嬉しかった。
1度振られてるのに、女々しいかな。
……………でも。
もしかしたら、チャンスかもしれない。
この恋人のフリをしている期間。
その間に、少しでも振り向いてくれる様に、努力しよう。
彼女を笑顔にさせることができるように。
自分の中で決心を固めたとき、すでにホームルームは終わっていた。


