「にしても、そーねー」
うーん、と悩む真希。
が、突然ギラりと目を光らせた………んだろうけど光ってないよ。
「もう付き合ってることにしちゃえば?」
「は?」
「え?」
素っ頓狂な声を上げる私たち2人を無視し、真希は楽しそうに続ける。
「だって美花も神崎も同性に告られて困ってるんだし。この状況はウィンウィンってやつじゃない?」
「いやまって、真希」
おかしいだろう。
そりゃあウィンウィン?かもしれないけど。
私1回ふってるからね、神崎を。
気まずいだろ、神崎が。
「神崎に迷惑でしょ………」
「あの」
真希をなだめようとしていると、神崎に袖を引かれた。
「……迷惑でないのなら、お願いします」
「…なにを」
「………関係を」
………………………へ?
「まって神崎今なん」
「っしゃぁぁぁあああああ!!」
慌てて神崎に詰め寄ろうとした私の真横で、真希が雄叫びをあげた。
「きたで、私得のシチュエーション!!イケメンと美少年!!これはいけるわ!!」
色々ツッコミどころ満載な真希は、喜んで神崎の手をとった。
「ありがとうございます神崎様!よく決断してくださいましたな!!!」
もはや誰だお前。
「いや、あの、ほんとに北澤さんが迷惑だったらいいんですけど…」
「迷惑なわけありますか!!!願ったり叶ったりですよ!!」
ちなみにこう答えるのは私ではない。
真希の勢いに反論する気も起きなくなった。
「………私は、別にいいんだけど…」
勘違いされて困る人なんていないし。
「っしゃぁぁぁあああああ!!いやっふぅぅうううう!!!」
飛び跳ねて喜ぶ真希はグルグルとその場で周り出した。
そして、その隣で神崎はいそいそと真希から離れた。
「……よ、よろしくお願いします…」
真希から逃れてきた神崎は、私の隣で少しだけ背伸びをして、内緒話をするように小さな声で呟いた。


