「昨日のデートを誰かが見てたんじゃないの?」
デートっていうか、君が無理やりセッティングしたんだけどね。
「んー、でも…昨日か………」
私は昨日のショッピングモールでのことを思い出していた。
クレープ行こうとして、けど真希と分かれたからって神崎とぬいぐるみ見て…。
神崎にカメさんを買ってもらって………。
………………………あ。
「…もしかして」
「ん?」
ボソりと呟いた私の独り言を聞き逃さなかった2人は、それぞれ私に話せという態度をとった。
「昨日、神崎がお会計に行ってる時、カップルっぽい人たちがこっち見てなんか話してたんだよね」
「それだね」
謎は解けた、とでも言いたげに真希は鼻息荒くまくしたてた。
「昨日、そのカップルがアンタらが仲むつまじーくお買い物してるのを目撃。そして今日になり、学校中に広めた!もしくはSNSで拡散した!!!」
そして言葉に会うように、ふん!とどこかにむかって指を突き立てる。
………ご苦労さまです。
「それで君たちのファンはみんな君らが付き合ってると思い込んだわけだ」
想い人には相手がいた。
そしてその人は自分などが勝てる相手じゃない。
諦めて愛しい人の幸せを遠くから見つめたのであった………。
と、劇風に語り終わった真希は、身体を折り曲げてポーズをとった。
どうでもいいけど真希。
ここ廊下だからね。
そして。
「つき…あっ………」
真希の演説に真っ赤になってる神崎。
うーん、なんだろう。
そこで照れられると困るというか、純粋すぎるというか。
これほんとに付き合ったらどうなんのさ。


