「あっはははははは!!!」
昼休みの教室に真希の豪快な笑い声が響く。
「何アンタ、また女子に告られたの!?」
「まぁね…」
昨日、帰ろうとしていたら重そうな荷物を持っている女子がいて。
危ないなーと思っていたら私の目の前でバランスを崩した。
から、慌てて支えたら。
「なんか…後輩だったみたいで。私のこと男だと思ったみたいで…」
一目惚れだと言われたんだけど。
「あはははははは!!!うける!!」
「いや、あの子には申し訳ないことをしたよ…」
ゲラゲラとおよそ女子とは思えない笑い方で笑う真希。
足をバタバタさせるものだからスカートがめくれるのではないかと少し心配。
「アンタイケメンだもんねぇ。はぁー笑った笑った」
毎回告白されたと話したらお決まりのように爆笑されるなぁ。
と、話してるうちにもクラスの人たちが慌ただしく出ていくのを見て、次の時間が体育だということを思い出した。
「ほら、真希。次プール授業だから着替えなきゃ」
「あー、はいはい…にしてもさぁ」
水着が入った袋を取りながら真希は笑う。
「プールっつったら男女のときめきの場じゃない?なのにアンタがいるから男子がかわいそうったら」
「え?なんで?」
ぐるぐるぐる。
真希の手で振りまわされる袋がなんだかかわいそう。
「女子の視線はアンタに集中してるから」
「………そうかな」
別に気にしたことないし…。
私も水着は一応女子用なんだけど。