騎士と姫が逆転しまして。








うーん、恥ずい。




覚えてない分余計に恥ずかしい。








「あ、そうだ」





思い出したように神崎は瞬きをすると。






「そのカメさん、気に入ったならプレゼントします」





「えっ、それは悪いよ!!」




確かに抱きしめてるうちに馴染んできちゃったけど。




可愛いと思うけど!!




「自分で買うから!」




「いいんです、僕がしたいので」





断る私を遮って、神崎はカメを手に取った。





「じゃあ、お会計してきますね」




「え、あ………」





行っちゃった…。





でもほんとにいいのかな…。





落ち着かなくて周りを見回すと、カップルが目に入った。





彼らは何故か私の方を見てコソコソと話をしていた。








………なんだろう?





その反応を不思議に思っていると、肩を叩かれた。







「はい、北澤さん」






「え、あ。ありがとう……」







袋に入れられたカメを受け取ると、神崎の手にも袋が握られていることに気がついた。






私の視線に神崎は気がついたようで。




ゴソゴソと袋からぬいぐるみをだした。




「海の仲間どうし、おそろいです」




それは、さっき神崎が抱きしめていたジンベエザメだった。




「……おそろい」





なんだかその響きにほっこりして、知らず口元が緩んでしまった。





そんな私を見て、神崎もはにかんだように笑った。