「でぇ〜〜〜?」





真希の声を右から流し、周りを見回すと。




とっくに午後5時を回ったショッピングモールは、平日だというのにも関わらず人で溢れている。







そんな人混みの中。









「なぁぁぁんで3人でクレープ食べに来てんのよぉぉぉお!?」









真希の声が人の並に飲まれながら響き渡った。







「真希、そんな大声出したら迷惑だよー」





「アンタがそれを言うかっ!?大体誰のせいでこうなってっと思ってんのぉ!?」




軽くなだめようとした私の首を軽く締めるようにしながら真希が声を荒らげる。





「ぎ、ぎぶ…」






「えっと、僕の性…ですよね、すみません」






苦しさに呻く私の隣で、神崎が居心地悪そうにしながら真希の手を私の首から外してくれた。




「そんなことないよ?」




ありがとうとお礼を言いつつ首をさすり、神崎に向き合って告げると。





「そ〜だね〜?どっちかと言いやぁ〜ねぇ〜?ど〜思う〜美花ぁ〜?」







たっぷりと嫌味を混ぜて真希が口元だけで笑った。






真希さん。


目。





目がね、やばい。







「でも、北澤さんが僕を誘ってくれたのは僕を思ってのことですし…」




と、ちらりと私に目線を送る神崎。




おぅおぅ。



神崎くん、そこで赤くなるのやめて欲しいなぁ。





私より神崎が可愛いことなんてわかってるけどさ、それを思い知る……っ。