~紅陽side~
今出ていった女、ますます興味もった。
拓巳さんのこと呼び捨てにタメ語、普通怒る筈の拓巳さんも怒っていなかった。
ほんと、何者なんだろーなぁ。
すっげー気になる。
「翠、桃李、よろしくな~」
「はぁ、分かった」
「しょうがないな~」
翠と桃李は溜息をついた。
どうやら通じたようだ。
あの女を調べろって事。
「紅陽、あんま首突っ込むなよ」
その言葉にビックリした。
普段何も言わない拓巳さんだから、余計。
「何でですか?」
「……あいつの事はそっとしてやっといた方がいいんだよ」
その声は小さく、拓巳さんの顔はくしゃりと歪んだ。
凄く、悲しそうだ。
「さて、んじゃ今日は終わりなー。気をつけて帰れよー」
そう言って拓巳さんは出ていった。
周りは俺たちに話しかけたそうにしていたから、俺たちはすぐに教室を出た。
「これからどうする?蓮さんに挨拶しに行く?」
廊下を歩いてると、翠からの提案。
「眠い」
「紫裕寝るんすか~?」
「ダメダメ~」
「紫裕少しは我慢して」
「……チッ」
「それもそうだな、ここへ来て蓮さんにきちんと挨拶できていなかったしな。なぁ、紅陽?」
蒼凰が俺に話を振ってきた。
結局、決めるのは総長の俺だから。
つか、紫裕の舌打ちみんなスルーなの??
聞こえてないの??ねぇ???
あ、上から紫裕、大黄、桃李、翠、紫裕、蒼凰な。
「そーね、いーんでねーの?」
ま、俺もスルーしちゃうけどなー♡
そして俺たちは理事長室に向かうこととなった。
まさか、あんな事になるとは思わなかったけど。


