なんかいろいろ卑怯だっ!

体育祭まであと四日になった。
最初は転んだり、揃わなかった私たちは、なんとか走れるようになっていた。


「いけそうだ!やっぱり私たちのコンビは強いぜ!」


「短期間でも意外と速くなるんだね。走れるのかなって不安になってたのが嘘みたいだ」


「あっ玉入れの練習もしないといけないねぇ。より正確に、そして速く投げる方法を見つけなければ……」


せっかく速くなったんだ。ここで点数を落とすわけにはいかない。
玉入れでは、瑠歌が主力になっていた。萱田君が玉の配分を指示する。私は苦手なので持つのは一つだけ。瑠歌は両手に六つを抱えて跳ぶことになる。


練習では、怪我を予防するために跳ばない。
それでも瑠歌は正確に入れていった。玉入れは安心しても良いラインまできているらしい。


本番に近い形での練習は終わり、苦手な人たちだけが集中特訓をしていた。
落ちたのを拾っては投げる、を繰り返していた。


笛の音が響き、歓声が聞こえた。
振り返ると、リレーが始まっていた。玉入れのメンバーも腕を止めて、釘付けになっていた。


今うちのクラスは三位。追い越されそうになりながらもキープしている。


そして、黄色のバトンがアンカーに渡った。
応援はさらに熱くなる。


アンカーは開いた差をどんどん縮めていく。白い線をギリギリを走り、カーブで体を倒れそうなほど傾ける。
じょじょに外側に移り、二位を追い越した。


ゴールは目前だ。
追い越して!


赤いアンカーは、並ばれたけど最後は振り切り、白いテープを抜けていった。黄色のバトンを握る貴島に、白いテープの端が触れる。


あのアンカーは陸上部のエース、佐江島君だ。
流石、陸上部だ。


「兄貴でも越せないなんて……かなりやばくないか?」


本番直前、強大な力を見せられる。
落ち着け私、一番驚いているのは貴島だ!