なんかいろいろ卑怯だっ!

「リレーだ。もうすぐアンカーだけど……まだ終わってなかったんだね」


瑠歌はそう言って、うちのクラスの走者を目で追った
アンカーということは……。


貴島はバトンを受け取り、加速する。長い足で滑るように走っている。
開いた差をどんどん縮め、追い越した!
声を出して応援しようとしたけど、邪魔になるかもしれないのでぐっと抑えた。


貴島は一番のままゴールした。


「貴島、すごい……」


歓声にかき消され、自分でも聞こえなかった。遠く離れているから私の声は届いていないな。


「登校芸より注目されてる!?うーん、やっぱりかっこいいもんな……くそっ、私だって負けないよ!」


「その気持ちを登校芸じゃなくて体育祭に活かしてね」


「もちろんさっ!兄貴が速さなら私は跳躍力で勝負だ!」


瑠歌は握った右手を突き上げ、高く跳んだ。黒い髪が上がり、拳は太陽を一時的に隠した。
集合した時、ひそひそと貴島について話す声が聞こえた。


私も貴島は早かった、かっこよかったって言いたい。この気持ちを抑えられない。