なんかいろいろ卑怯だっ!

「位置について、よーい、スタート!」


あっ、どっちの足から出すか決めてなかった。


「親奈~?」


「さっきと同じで!せーの!」


微妙に揃わない足並みで、白い線に沿って走る。いや、これは歩いていると言った方が正しい。
結局、私たちは最下位だった。


「お疲れ様~、練習したい人は邪魔にならないところで練習してね」


危機感を感じるしかなかった。


「二人三脚の練習しよう」


私は汗ばんだ手でズボンを握りしめた。


「うん。やるしかないね」


瑠歌はひきつった笑顔のまま頷いた。


それから、運動場の端で練習していた。足が擦れて痛い。けど、少し速くなった気がする。


「次の体育で実力を確かめよう」


外した紐を折り畳みながら言った。私は計測もしていないのに期待していた。次の体育で追い越せる気でいる。


「兄貴も見てるし、負けるわけにはいかないよね」


そう、貴島も見ている。
一年の頃から一緒にいた私たちが、負けるわけにはいかない。
私たちのやる気は、炎天下で、ゆっくりと燃えていた。