なんかいろいろ卑怯だっ!

文化祭の前には体育祭がある。体育祭の練習は次の日から始まった。


「玉入れは得意なんだ!私の跳躍力を見るがいい!」


瑠歌は五つの玉を抱え、膝を曲げる。
そして、思い切り跳んだ!


「てーい!」


身長はそれほど高くない瑠歌が、かごのすぐ下にまで届いている。
かごの中に放り込み、くるりと回って着地した。


「まあ、最悪の場合ラジコンヘリを使えばいいんだけどね」


「不正不正」


瑠華が横にいる私に振り向いて言うと、玉入れに参加する萱田君が薄笑いで、両手の人差し指を咎めるように向ける。


「萱田君の言う通りだよ。ラジコンヘリ禁止」


「ちぇ~」


玉入れは、基本的に運動が苦手な人が参加する。全部入れる必要はないんだ。
そう、不正をする必要もね。


「先生が集合しろってさ」


玉入れに参加する粟野さんが走ってきた。
持っていた玉を地面に置き、先生のところに向かった。


「最初に二人三脚、次はムカデの練習をする。玉入れは向こうのかごで練習するように」


最初は二人三脚か。私と瑠歌は二人三脚にも参加する。
初めてだけど、親友なら息も合うはず。


競走は好きじゃないけど、これが終われば玉入れの練習に戻れる。
白い紐を足にくくり、一歩踏み出す。


「おうっ!」


私はくくってない方の足を上げ、瑠歌はくくってる方の足を上げていた。痛そうにした瑠歌は足を下げた。


「くくってない方を先に出そう」


私がそう言って、動きを揃える。
でも、微妙に合わない。足首が痛い。


痛いのを我慢しながら、スタートラインまで歩いた。私は走る前から不安でいっぱいだった。