なんかいろいろ卑怯だっ!

「よし、後ろから雑巾を提出ー」


しまった。雑巾忘れてた!嫌な予感はこれか!
宿題が早めに終わり、油断して思い切り忘れていた。
回されてきた雑巾をそのまま渡す。


完璧に始められると思ったんだけど……いつもどこかで失敗する。運が悪いな……。
私は前髪をかきあげた。


提出物を全て提出し、先生が二学期について話す。


「二学期は文化祭、そして体育祭がある。季節も変わる頃だから体調には気を付けるように。文化祭は、二年生は教室で展示をする。今から文化祭のテーマを決めるぞー。思い付いたら黒板に書きにきてくれー」


そんなことを言って書きに来る訳がない。
仕方がないので先生はあてはじめた。日直の札をめくり、出てきた名前は……。


「早霜ー」


本当に運が悪い。
そもそもテーマとはどんな感じで言えばいいのか……。


「あー、展示だったら、宇宙をイメージした感じで、天井に星を吊るしたりとか……」


「ほ~宇宙か……。じゃ、次は津端」


先生は黒板に宇宙と書く。津端は立ち上がることなくアイデアを言った。


「テーマは青春で、黒板に寄せ書きや、体育祭で使った応援グッズを飾ったりするのがいいと思います。ほら、天井から吊るしたら落ちて怪我する可能性があるでしょ?」


「なるほど~確かにそうかもしれないな。青春は短いからな~楽しんでおけよ!」


「先生それ関係ない!」


そう言った女子のグループが笑う。
津端は私を見て鼻で笑った。こんなことにまでつっかかってきて……。

津端は進学塾に通っていて、成績がいい。それを鼻にかけ、授業でも手を挙げずに答えることが多い。答えを考えている最中にされると嫌だし、それ以外にも何かと私を馬鹿にしてくる。
蛇田とは違う種類の厄介なやつだ。