なんかいろいろ卑怯だっ!

しかし二人は私たちの呆れた目も気にせず親しげに話す。ベルナルドは転校してきたばっかりなのに、よくそこまで距離を詰められるね。結局ベルナルドたちと共に保健室の前まで来た。


「失礼しまーす」


ドアを開けると、前髪で左目を隠した人がいた。指が出る黒い手袋、制服には鎖がジャラジャラとついている。目は灰色……カラコンっぽい。


「どうした?蝕陽病(ナイトメアサンライズ)にでも罹ったのか?」


表情を変えずあんなこと言える人初めて見た。何だよナイトメアサンライズって。


「ヒィ痛い痛いwww」


瑠歌がもっとやばくなった。酸欠の金魚みたいに口をパクパクさせている。


「保健室に藪保険医がいるとは……」


「患者が診るって余計悪化しそうだよね。帰りなよ、市民病院の中二病棟に」


ベルナルドと貴島にとどめをさされ、藪保険医は机に倒れる。


「健康な先生はいないのかな?」


「今来ました、蛇打さん教室に帰りなさい。あと、保健室の物を漁らないで」


「触媒魔獣オルドレスを生み出そうと思ったのに……」


蛇打は保健室から出て行った。えっ蛇打!?そういえば、蛇打には弟がいるって聞いたことがある。まさか……!


「それで、どうしましたか?」


「あ……えっと錦柑子さんが笑いすぎで呼吸困難に……」


今は少し落ち着いたがぐったりしている。瑠歌は先生に任せて、教室に戻ることになった。ベルナルドたちは仮病がばれ追い出された。