「お待たせー!」


貴島たちを見つけ、駆け寄った。カツカツと音が立った。
待ち合わせ場所は神社の鳥居の前。と言っても、他にも人がいるから少し離れたところだ。


「私服で会うのは初めてだね」


石垣にもたれ、何気なくそう言った。


「うん。だから、いつも以上に素敵で驚いたよ。綺麗な色のワンピースだね。似合ってるよ」


顔に熱がこもった。貴島の方を見れない。


「ありがとう……貴島も、かっこいいよ」


貴島は意外とシンプルな服を着てきた。
けど、ブレスレット等アクセサリーをつけているから地味には見えない。
チャラチャラした感じじゃないのが好き。


まあ、私もファッションには興味ないしよくわからないけど。


「げろ甘だねー」


「ちょっと!KYだよ!」


やれやれと肩を竦める瑠歌と、瑠歌を指差して何故か怒っている礼子ちゃん。


「いいところだったのに……」


「見せられるこっちの気持ちにもなって欲しいよー」


「あなたが見なければいいのに」


「聞こえてくるんだよ」


ちょっと危ないと思って、宥めようとする。
その時、ベルナルドが到着した。


「もう揃っていたか!ならすぐに行けるな」


笑って手を振るベルナルドに気を取られていた。
そのまま祭りに行く形になり、瑠歌と礼子ちゃんはさっきのことを引きずることもなかった。