なんかいろいろ卑怯だっ!

中二病は撤退させられ、通常通り壮行会は進む。


円陣を組み、強い結束力を見せる。
私にはわからないものだ。
この舞台に立って、試合に出ることに憧れた人はどれくらいいるのかな?


最後は吹奏楽部の演奏と私たちの手拍子で送る。
すると、最後尾にまた異質な存在がいた。懲りないなあ。


「君たち、いい加減にしなさい!」


かんかんに怒った教頭先生が走ってきた。


「黙れ!我等も先に行った者同様戦に出る!貴様らの悪しき分類で我等の道を邪魔することは許されない!」


「これは総体に出る生徒の為の壮行会だ!君たちは関係ない!スポーツもしないのに主役ぶるな!」


そう言って、力ずくで中二病を列から引き剥がした。
列の最後の、テニス部が出ていった時……。


「そんなにスポーツが大事ですか!?」


そう声を上げたのは美術部の部長だった。


「先生がその人たちの部活が賞賛される場を作らなかったからこうなったんじゃないですか!?」


「それと壮行会を邪魔するのは関係ない!壮行会の邪魔をするから怒っているんだ!」


「壮行会の為に体育館を飾り付けたのは私たちです!その材料は授業の余り物でした!直前に言われたので材料も時間も足らず、はっきり言って物足りません!本当に総体に出る生徒のことを考えていますか!?他の部活をぞんざいに扱っていませんか!?」


「黙れ!活動停止にするぞ!」


「生徒を脅しやがって……最低だな!俺らのパソコン部も、先生が古いパソコンでネット授業の連係システムとかするから、不具合で活動出来ない日もあるぞ!まずは環境を整えろ!」


「吹奏楽部は体育会系文化部だー!」


「部費を増やせー!」


体育館に残された文化部の不満が爆発した。
それぞれが思っていたことを口にする。


「総体に出られない運動部の部員を馬鹿にするなー!普段はその事でいじるくせに、力仕事の時だけ運動部扱いすんな!」


「そうだそうだー!」


総体に出ない運動部の不満も爆発した。
じゃあ、総体に出る生徒はこの壮行会のことをどう思っているんだろう?