あれが貴島の手から離れたとき、中二病は死ぬだろう……というのは大げさだけど、大変なことになる!中二病は怪我するし、貴島が学校に来れなくなるかもしれない!


「ちょっと待って!それは貴島がこの学校に来れなくなる!」


「言っても聞かない奴にはこうするしかないんだ……!」


「施設に行ったら親奈に会えなくなるよ!」


瑠歌が貴島の手首にチョップする。
すると、貴島はもう片方のデザインナイフも床に落とした。


「会えなくなったら本末転倒だな……」


殺気は一瞬で落胆に変わり、貴島は目を伏せる。
最悪の事態は瑠歌のおかげで防げた。


「私は他にやりたいことがある。だからあなたに協力はできない」


「なら暇なときにでも!」


「貴島や瑠歌との用事が優先でいい、人前では脳内設定に基づいて行動しないと約束するなら……」


「それ何もするなって言ってるよな……」


中二病は地の口調に戻っていた。


「どうしてうまくいかないんだ……!僕はずっと休み時間に話せる人間がいない……。君は星使いじゃなくても、休み時間に無視しないでくれればそれでいいのに……!」


もしかして、友達が欲しかっただけ?
何で私なんだろう?彼氏もいるし、男友達なんて難しい。


「まず強引に連れていくのをやめなよ。人が嫌がることしてたら話してくれる人は現れないよ」


「俺の言動自体が嫌な人もいるんだ……兄とか」


「同じくらい変わった人を探した方がいいかもね」


瑠歌はそう言っているけど、仲良くするつもりはないようだ。中二病と同じくらいと聞いて真っ先に思い浮かぶのは瑠歌なんだけどな……。