なんかいろいろ卑怯だっ!

約束の時間は近づいてくる。私は選ばなくてはいけない。
貴島と別れるくらいなら、面倒な中二病なんて……!
行かない方を選ぶことがほぼ決定していた。


瑠歌と一緒に廊下を歩く。理科室には行かず、二人でそのまま帰る。


そうしようと思っていたのに、見つかってしまった。


「星使いたちもギルドの解散式が終わったのだな。さあ、行くぞ!」


「えっ!?」


私は腕を引かれ、階段の近くまで来てしまう。今ならまだ逃げられるはず……。
階段を降りるときも腕を離さなかった。危ない。


「ちょっと、降り難い……!」


「ん?ああそうか」


離してもらい、この隙に逃げようとした。上ろうとすると他の人もいて、私は邪魔になっていた。逆流するのって難しい……視線が痛い……。


「この道の方が近いぞー」


「早霜遠回りするつもりかよ」


運悪く同じクラスの蛇田がいた。そして取り巻きも私を笑う。
横に並び、上には行けなくなった。


「中二病と調子乗りのブスでお似合いや!」


兄を使って私を追い詰めるつもり!?私は蛇田と取り巻きを睨み付ける。


「ふぁ!?中二病だと!?愚鈍な腐敗物め……賢者の石が完成した暁にはあるべき場所に送還って(おくって)やるわ!」


そういう作戦じゃなかったらしい。怒った中二病は私の腕を引き、早足で理科室に連れていこうとする。


ちょっと待って!危ない!落ちそう!
何とか足をつけ、転ばないよう頑張った。


瑠歌は!?引っ張られたときから見えてないんだけど……。
上でケンカしてる……?瑠歌だ!
奇声が聞こえた後、ドタドタと走って逃げる。瑠歌は蛇打たちを追い払えたようだ。

「瑠歌!」


「遅くなったぜ!おい中二病!理科室まで強制連行かよ!」


「賢者の石が必要なんだ……」


そう言って、右目を覆い隠す。


「使い魔も来るのか?」


「ここまで来たら行ってやるよ!」


「瑠歌!?」


とんでもないことを言った。私は瑠歌の方に振り向いた。
瑠歌は使い魔らしい。ていうかよくわかったね。


「ちょっと!貴島に怒られるって……!」


「逃げてちゃ終わらないでしょ。中二病はメンタルをブレイクすれば終わるから大丈夫だって!すぐ終わる!」


ずるずると理科室の前まで来てしまい、私は震えていた。あそこで会わなければ……!


貴島に見られていないかと辺りを見回す。いない。よかった……!

鍵を開けると中に引きずり込まれ、その後から瑠歌が入ってきた。