「親奈ちゃん、ここにいたの!先生が来てる!」


「あ……」


もう少し、余韻に浸りたかったんだけど。


「じゃじゃーん!こっそり会ってたのに気付かれなかったのは、私と礼子ちゃんが頑張ったから!もっと褒めていいよん」


瑠歌が低い木の裏から飛び出てきた。


「ちょっと待って!いつからいたの!?」


「こらー!こんな日にさぼるとは何考えてるんだ!」


当坂先生が走ってきた。


「見つかってしまったね。このまま何もせず体育館に戻る?それとも、捕まる前にもう一回する?」


照れていた貴島はもういない。見つめられると、判断力が鈍る。


瑠歌め、にやにや笑って……!礼子ちゃんも煙玉を用意している。これで先生からは見えない。
そして、フェンスの向こうには何故かベルナルド!


「こうなる日が来ると予想していたの。煙玉は便利ね~」


「私は何かあると思って、先生を足止めしたぜ!結局見つかったけどさ」


「二人とも、お幸せに。じゃあな」


「もうすぐ煙が消えてしまうよ」


包囲されている。そんなこと言われたら、答えはもう一つしかない。


「なんかいろいろ卑怯だっ!」


最強技の前に、最高の仲間たちに言ってやった。